みなさんは、練習後・ウェイト後にプロテインを摂取していますか?
男女問わず、プロテインを摂取するラクロス選手は以前より増えてきているように感じます。
それだけ、タンパク質がアスリートにとって重要だということが認知されてきたのでしょう。
では自分にあったタンパク質の摂取量を理解して摂取している人はどれだけいるでしょうか。
また、タンパク質を摂りすぎると身体に負担をかけてしまうことを知っているでしょうか。
今回はタンパク質について理解を深めていきましょう。
タンパク質とは?
タンパク質(Protein=プロテイン)の由来は、古代ギリシア語のProteios=プロティオス。
意味は、「第一なるもの、主要なもの」。
古代ギリシャに時代から人間のカラダにとって「一番重要な栄養素であること」と言われていました。
■体内構成
男性:16〜18%
女性:14〜16%
男女ともに、身体の1/6はタンパク質で構成されています。
タンパク質の役割
タンパク質の役割は、
①カラダを作るための材料になる
②エネルギー源になる
の2点ですが、主な役割は、「①カラダを作るための材料になる」です。
しかし、エネルギー不足の状態になると、「②エネルギー源になる」役割もあります。
タンパク質の種類
タンパク質は、20種類のアミノ酸が多数・複雑に連なった栄養素です。
20種類のアミノ酸のうち、必須アミノ酸と非必須アミノ酸の2つに分類することができます。
このアミノ酸で重要なのが、必須アミノ酸です。
必須アミノ酸は、体内で合成することができない、あるいは合成されてもそれが 必要量に達しないため、「必ず食物から摂取しなければならないもの」をいいます。
「BCAA」は耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
タンパク質の「質」を左右するのが、必須アミノ酸のバランスです。
そして、食品のタンパク質の「質」(=栄養価)の評価には、「アミノ酸スコア」を使用します。
この「アミノ酸スコア」は、アスリートのカラダ作りに重要な項目になります。
アスリートが意識したい「アミノ酸スコア」とは?
アミノ酸スコアとは、タンパク質の栄養価(質)を示す指標です。
「食品に含まれている必須アミノ酸がどれくらい満たされているか?」で、アミノ酸スコアは算出されます。
100に近い数値であるほど理想的です。
■アミノ酸の桶の理論
必須アミノ酸がそれぞれ1枚の板になっている桶をイメージしてください。
この桶は、一枚でも不十分な板があると水が漏れてしまします。
下の図の桶のように、必須アミノ酸は互いに必要なバランスがあり、9種類のうち一つでも不十分な要素があると、たんぱく質の「質」が低くなってしまいます。
アミノ酸スコアを100に近づけるためには、様々な食品からタンパク質を摂取することがポイントになります。
1週間の中で、数種類のタンパク質を組み合わせることで、自然とアミノ酸スコアの数字が上がってきます。
食品に偏りがないか、一度振り返ってみましょう!
どのくらい摂取したら良いか?
カラダの様々な部分を構成する「タンパク質」
「たくさん摂取すれば、すべてがカラダの一部になるのか?」というとそうではありません。
タンパク質のはたらき「②エネルギー源になる」とあるように、余ったタンパク質はエネルギー源としてカラダに蓄えられます。
また、過剰摂取は消化吸収の過程で、腎臓に負担をかけるリスクがあります。
適量をベストなタイミングで摂取することで、より効率的に効果を得ることができます。
〈ポイント〉
□アスリートの場合、トレーニングによる筋肉の破壊により、一般の人の約1.5〜2倍のタンパク質が必要になる
□タンパク質は、個人差(体格、体重など)・トレーニング強度などにより、必要量が変わる
自分に必要なタンパク質の量を把握し、食物を選択できるようにしましょう。
1日に必要なタンパク質量の算出方法
1日に必要な【タンパク質】量(g)を計算しましょう。
体重(kg)×体重1kgあたりの【タンパク質】必要量(g)
トレーニング強度によって、体重1kgあたりの【タンパク質】必要量(g)を調整することがポイントです。
下記にタンパク質の目安量を表にしました。
ラクロスを「継続的な高強度トレーニング」として計算してみましょう。
例1)体重70kgの男子ラクロス選手
70kg×1.5(体重1kgあたりのタンパク質必要量)=105g
【1日の食事例(タンパク質:105g)】
豆腐の味噌汁・納豆・ごはん・鶏むね肉(200g)・ゆで卵1個・プロテイン1杯・サバ缶
例2)体重50kgの女子ラクロス選手
50kg×1.5(体重1kgあたりのタンパク質必要量)=75g
【1日の食事例(タンパク質:75g)】
豆腐の味噌汁・納豆・ごはん・鶏むね肉(100g)・ゆで卵1個・プロテイン1杯・ヨーグルト(100g)
いかがでしょうか。
今のご自身の食事は、十分なタンパク質量を摂取できているでしょうか。是非見直してみてください。
また、体内で一度に処理できるタンパク質量は限りがあります。
一度に1日のタンパク質量を摂取するのではなく、複数回に分けて摂取することも大切です。
自分に必要なタンパク質摂取量を知り、効率よく身体作りをしていきましょう。
【参考文献】
『理論と実践 スポーツ栄養学』(鈴木志保子)
▶︎▶︎この記事を書いた人
【名前】アスラクごはん
【所属メンバー】金井 麻由美(管理栄養士)、田中 千晶(管理栄養士)