今回はみなさんにぜひ身につけてほしい知識をご紹介したいと思います。
激しくてエキサイティングなスポーツである ラクロスのプレーには怪我における様々な危険要素があることはみなさんお気付きのことと思います。
スポーツに怪我はつきものです。怪我を恐れていては激しいプレーはできません。ただ激しいスポーツだからといって、ラフなプレーをしていいわけではありません。でも怖気付いているだけでは何も変わらないので、まず怪我がどのようなものなのか、そしてどのようなプレーや行動が怪我につながってしまうのか、怪我をしてしまった時はどう対処をすればいいのかきちんと知識を身につけておくことが大切です。
今回は怪我の中でも危険な頭部外傷について、特に脳振盪についてみなさんにきちんとご紹介をして行きたいと思っております。
まだラクロスでは脳振盪で死亡したという例がありませんが、この激しいスポーツにおいてはいつ死亡事故がでてもおかしくないと思っています。
脳振盪についての知識をみなさんがきちんと身につけていくことはとても重要なので、これらの記事は数回に分けて説明していきます!
最後にはとても怖い急性硬膜下血腫などの頭部外傷にも触れたいと思います。
脳振盪ってなに?
頭のけがのことを総称して頭部外傷といいます。
頭を打って頭の皮膚が切れたり、たんこぶができたり、これらは見た目にわかるのですが、
外から見てもわからないことが脳の異常です。
脳がぶつかって傷になる(脳挫傷)や、脳の血管が傷つく(脳出血)と画像診断で明らかな異常が見つかりますが、
脳振盪は画像上では異常がみられません。
脳が揺れることにより、脳の血流が低下する。その結果、多様な脳機能の異常が現れます。
簡単にいうと、
頭頚部に衝撃が加わり「脳が揺れる」ことによって脳がダメージを負い、身体に様々な症状がでることです。
ただし、直接頭に衝撃が加わらなくても、脳振盪になることもあるし、軽い衝撃でも脳振盪になることがあるので注意です!
頭部外傷による事故事例はニュースにもなっており、下図のような2件が例です。
セカンドインパクト症候群
この言葉を聞いたことはありますか?
脳振盪などの頭部外傷後、数日や数週のうちに2回目の頭部外傷が起こると致命的な脳の障害が起こります!
これは死亡率が30~50%と言われています。
軽度の脳振盪でも2回重ねると死亡事故になり兼ねません!
たとえ生存していたとしても、後遺症が残る可能性があります。
高次脳機能障害といって様々な症状が残存する可能性があります。
もしかしたら脳振盪??
相手にぶつかった、こけて頭を打った、ボールが当たった、クロスが首に入った。
もし脳振盪の現場に出会ったら、あなたならどうしますか?
迷わずにその選手を練習から抜けさせることができますか?
意識がなければできると思います。
でも一瞬でも意識障害が起こる脳震盪はたった5%に過ぎないと報告されています。
まさか1週間以内に練習復帰なんて恐ろしいこと、、
実際そのような話を聞いたことがあります。
「そんなこと言われたって脳震盪なんて見たことないしわかるわけがない」
「難しいからわかんない。」
「死ぬのは怖いけど、わからずにやっちゃいそう」
「判断しても自分の責任になるのが怖い」
「私が出ないとチームが困る、先輩がいる手前、、」
こんな人も多いのではないでしょうか?
ふざけないでください。
大事なのでもう一度書くと、
2度目の脳震盪を起こすと死亡率は30~50%です!
安全にプレーすること、させることは競技をする上での大前提。
ただちに練習から離脱し、身体状況に変化がないか観察し、
必ず病院の受診を促し、医師の診察を受けさせてください!
そして最低でも1週間の段階的な復帰が必要となります。
これは長くなるので別の記事に書きたいと思います!
絶対にこの競技で死亡事故なんか出してはいけません。
練習より試合の方が発生率が多いことも複数報告されています。
危険な競技ですが、試合のときに他の競技とは異なり救護ができる人も少ないことが現状です。
もう一度言います。絶対に死亡事故を起こさない。
脳振盪についてのリンク
☆ラクロス協会「脳振盪対策について」
https://www.lacrosse.gr.jp/safety/concussion/
☆臨床スポーツ医学会「頭部外傷10か条の提言」
http://sumihosp.or.jp/guide/schedule/documents/Protect_Your_Brain_2.pdf
↑10か条の提言はわかりやすい内容ですので、コーチも選手も1度読んでみることをおすすめします!
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【ラクロス関係者必見|脳振盪について知ろう】①脳振盪ってなに?
【ラクロス関係者必見|脳振盪について知ろう】②どういうときに脳振盪になるの?
【ラクロス関係者必見|脳振盪について知ろう】③脳振盪になったときの症状
【ラクロス関係者必見|脳振盪について知ろう】④脳振盪後の対応・評価
【ラクロス関係者必見|脳振盪について知ろう】⑤脳振盪からの復帰
▶︎▶︎この記事を書いた人
【名前】宮代祐希(みやしろゆうき) Twitter , Instagram
【所属チーム】法政大学女子ラクロス部
【所有資格】理学療法士、JSPO-AT
【現在の職業】児童福祉施設職員、トレーナー
【経歴】
筑波大学大学院 人間総合科学研究科 修了(修士)
筑波大学女子ラクロス部 ’15〜’17
法政大学女子ラクロス部 ’18〜