【ラクロスチームのMG/TR/SG必見!!】ケガをチェックするためのメディカルテスト

1.メディカルテストとは?

メディカルテストとは「整形外科テスト」や「理学的検査」とも言われます。
検査者がMRIやレントゲンなどを用いずに、肉離れ、骨折といった整形外科的な怪我を評価するテスト方法のことを言います。

2.メディカルテストはなぜ必要?

スポーツの怪我においては急性のものと慢性的なものがあります。例えば急性なもので言えば、プレー中に足首を捻ったり、人と衝突して肩を痛めたりなどのケースです。慢性的なものは「よく膝痛めるんだよね…」とか「腰痛もちなんだよね…」など、前々から痛みが出ていたりするケースです。急性期の痛み、慢性期の痛みでもメディカルテストは使用していきます。
痛みが生じているその時、身体からは痛みの信号が脳に送られています。つまり、なんらかの異常が患部から起きているわけです。その時レントゲンやMRIなどの検査で身体の組織(筋肉や骨や靭帯など)に何が起きているのか、すぐに探れれば良いのですが、現代においては難しいですよね。なので、大掛かりな機械を用いず、ある程度徒手的に検査する必要があります。その為のツールがメディカルテストになるわけです。そして身体に何が起きているのか予測していきます。
また、メディカルテストは痛みが生じている段階以外にも、痛みが生じていない段階、つまり怪我予防の側面でも使用することができます。(オススメのメディカルテストで紹介していきます。)
そんなメディカルテストの検査を元に身体を評価し、マッサージ、テーピング、アイシング、はたまた救急車を呼ぶなど判断材料の1つとしていくわけです。

3.メディカルテストとにはどういうものがある?

急性期、慢性期、予防期にも使用できるメディカルテストですが、数はとても多いです。
その中でもよく知られている代表的なものを紹介していきます。

1.ラックマンテスト

急性期において前十字靱帯断裂が疑わしい選手に実施するテストです。また、予防期では前十字靱帯が緩くないか、関節が緩くないかなどの判断でもちいることもあります。かなり代表的な検査ですが割と奥が深いです。

2.フルカンテスト・エンプティカンテスト

肩関節における代表的な検査で急性期においてインナーマッスルが傷ついていないかなどをチェックしたり、肩関節インピンジメント症候群と呼ばれる状態になっているかなどのチェックで用いたりします。

3.パトリックテスト

股関節のテストです。股関節のインピンジメントや仙腸関節と呼ばれる骨盤の関節のチェックでも用いたりします。

4.SLRテスト

ハムストリングスの硬さをチェックする検査になります。60°程度の可動域を維持していないと、ハムストリングスの肉離れを起こすリスクが高くなります。

こういったものがあったりします。肩関節や股関節のテストは自由度の高い関節(曲げたり伸ばしたり回したりなど可動域が大きい)故にテストがかなり多いので、その怪我をある程度予測し、それに応じてテストを実施する必要があります。
これらが代表的なテストになります。TRの学生さんなどは一つは知っているかもしれませんね。

4.おすすめのメディカルテストとは?

おすすめのメディカルテストを紹介していきます。足関節、膝関節、股関節で個人的に実施する頻度の多いテストを紹介していきます。

1.足部:ottawa ankle rules(オタワ足関節ルール)

足関節に対して、主に急性期に用いるテストになります。
足を捻った選手がいるとしたときに、捻挫なのか骨折なのか判別がつきにくいですよね。それをチェックするためのテストがこのオタワアンクルルールです。5つのチェック項目があるのですが、5つすべてチェックがついた場合には骨折している可能性はかなり高いとされています。科学的根拠もあり、足関節に対しての何らかの受傷後には必ず用いて欲しいテストになります。

2.膝関節:スクワッティングテスト(Knee in Knee out test)

主に慢性期に用いるテストになります。スクワットを前方に出した時の膝の痛みや膝が内側に入らないかのテストです。
選手に膝の疼痛が発生した時、膝を内側に曲げた時と外側に曲げた時の疼痛を見ます。もし内側に曲げたときに痛みが発生する場合、外側への誘導をテーピングやトレーニングを用いて実施します。また、Knee in toe outになってしまうような選手は股関節伸展筋や外旋筋と言われる筋肉が低下している可能性があると解釈することもあります。

3.股関節:片脚立位テスト(デュジャンヌ兆候、トレンデレンブルグ兆候)

これも主に慢性期、予防的にチェックすることが多いテストです。痛みが生じていない段階である怪我予防の側面でも使用することができます。これはテストというよりその兆候(現象)を観察するというものです。
片脚立ちをしたときに、片脚立っている側の股関節や体幹を観察します。そのとき、反対側と比べて体幹や股関節がぐらついたりしていないかをチェックします。

5.まとめ

今回は現場において、急性期、慢性期、予防期におけるメディカルテストを少し紹介しました。
メディカルテストにはオフシーズン明けにテストを実施して、怪我のリスクを予測するようなキット(メディカルチェック)があります。
サッカーやバスケット、野球などのスポーツではエビデンスが構築されておりますが、ラクロスにおいてはエビデンスがまだ構築されていません。
今後ラクロスにおけるメジャーなメディカルチェックを作成し、データを取り、怪我予防におけるトレーナーやコメディカルの意義を高めていきたいと思っております。

▶︎▶︎この記事を書いた人
【名前】樋口雄哉 Instagram
【現在の職業】理学療法士
【所属チーム】Stealers
【所有資格】
・理学療法士
・心臓リハビリテーション指導士
・MAT(muscle activation Technic)講習修了
【経歴】
・2018〜Stealers

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